2008年 12月 02日
タイトルになっている「らくだ」というのは人物の名前だが、この「らくだ」がいきなり亡くなってしまうシーンから始まるというのは落語の中でも珍しいのではないだろうか。 昨年のこれぐらいの時期に、南座でたまたま鶴瓶師匠の「らくだ」を観る(聴く?)機会がありました。 まくらでは、当然紅白の司会になったことで盛り上がっていたが、私は例年のことながら、紅白はおろか、テレビを観れる環境にないことが多いので、鶴瓶師匠の司会ぶりはどんなものだったかは結局わからずじまいでした。 先日の日曜のラヂオでは、今年は紅白に出れないことを悔しがっていたのか、本人曰く「ハワイで紅白を見ますとフェイントをかけておいて、誰かのアーティストのバックダンサーで出ようかと(笑)」とか・・ 話が脱線してしまいました。 さてこの「らくだ」、どちらかというと莫迦噺というよりは、人情噺的要素が強いようですね。登場人物の一人である屑屋が酔った勢いでとつとつと語るシーンはまさに人情噺そのものという印象を強くもちました。 で、私の勝手な想像ですが、鶴瓶師匠はどちらかというとこのような人情噺のほうが得意なのではないかというイメージを持っていますが・・。 「らくだ」の前に演じていた創作落語「青木先生」も、物語の背景にどことなくノスタルジックな雰囲気を感じました。 脱線ついでに 南座の帰りがけに、伊○園さんのお茶が「売って」いました。おもわず「有料かよ!」と突っ込みを入れてしまいました。せっかく寄席としては異例に高いお金を払っているのに、presented byの伊○園さんのサービスがあってもよかったのではないかと・・ ------------ こないだ文珍師匠の10夜連公演のDVDを観る機会があって、そのなかで同じ「らくだ」を聴きましたが、鶴瓶師匠のとはさげのところが違うということに気づきました。 鶴瓶師匠は「らくだ」を火屋(火葬場)まで漬物桶に入れて運ぶシーンの途中でさげていましたが、文珍師匠のはちと違って「おや」と思いました。 またまた話が脱線しますが 文珍師匠のまくらはタイムリーで爆笑してしまうところがうまいですね! 「らくだ」ではこんな感じ・・ なんですなー・・・でけるだけ体を動かして散歩するようにしてるんですが・・(中略)犬をつれて散歩している人をよう見かけますなぁ・・白い犬を見るとおもわず「お父さん!」と呼びたくなりますな(爆笑) てな具合に!ここらへんの間合いは実にうまいと思いましたね。 「らくだ」の前にやっていた「老婆の休日」、けっこうブラックな噺なんだけれど、まくらもそれにあわせたのでしょうか。公演当時、防衛省トップの汚職事件で世間がワーワー言っていた時期だったので、その話題を持ってきたのはうますぎですね。 師匠がある旅館に泊まったとき、仲居さんに聞きまた「あなたの名前は?」「ヤマダヨウコ」 「ヤマダヨウコー?私はモリヤです」(爆笑) おっと、話が思いっきり脱線してしまいました。 文珍師匠の「らくだ」、屑屋の語りのシーンがいささか長かったような気がしましたが、らくだの住んでいた長屋のシーンでさげ。両者のさげどころの違いが聴けておもしろかった。
by uminee_san
| 2008-12-02 04:02
| 落語
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